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第1章 90 毒に侵された村『シセル』3

last update Last Updated: 2025-09-19 19:16:07

 薄紫色のガスに包まれ、独特な匂いの漂う中を私はユダに連れられて歩いていた。その後ろを口元を抑えたトマスとリーシャが続く。

「ユダ」

ユダに手を引かれながら彼に声をかけた。

「はい、クラウディア様」

じっと私を見つめて返事をするユダ。その手に力が込められる。

「貴方もリーシャやトマスのように口元を抑えて置いたほうがいいわ。この香りはマンドレイクの香りよ。この匂いに当てられたら、幻覚を引き起こしたり、神経を麻痺させてしまう毒性があるのよ。2人のように口元を覆っておけば、少しでも毒を緩和させることが出来るわ」

勿論私にはマンドレイクの毒は効かない。事前に【聖水】を口にしているからだ。

すると、何故か突然ユダが足を止めた。

「そうでしたか……だから……ですか……」

ユダの様子が何だかおかしい。それに私の手を握りしめる力が強まった。

「ユダ……? どうしたの? 手が痛いわ。少し力を……え?」

そこまで言いかけた時。

突然ユダに腕を強く引かれ、気づけば私は強く抱きしめられて

いた。

「ユ、ユダ!? 一体何を……!」

必死で押しのけようとしても、兵士で力の強いユダにはとても敵わない。

益々強く抱きしめられる。

一体、何が起こっているのか訳が分からない。

勿論、この突然の行動に驚いたのは私だけではない。

「キャアアアアッ!! ユ、ユダさん!! クラウディア様に何をしているのですか!?」

リーシャが悲鳴を上げた。

「ユダさん! 仮にも王女様に何てことをされているのですか!」

トマスは私からユダを引きはがそうとするも、所詮ユダの力には敵わない。

一方、ユダは私を強く抱きしめたまま熱に浮かされたように語りかけてくる。

「ありがとうございます……クラウディア様……俺の為に陛下との結婚を取りやめてくれるというのですね?」

「え……?」

一体ユダは何を言ってるのだろう?

ひょっとしてマンドレイクの毒によって幻覚作用を引き起こしているのだろうか?

「な、何を言ってるの? ユダ! 離して !お願い、正気に戻って!」

幾ら暴れてもユダはびくともしない。

「ユダさん! クラウディア様を離して下さい!」

「王女様から離れて下さいよ!」

リーシャとトマスは必死でユダの腕を解こうとしている。

「好きです……クラウディア様」

突然ユダが驚きの言葉を発した。

「え?」

「俺の気持ちに気付いて、結婚をやめてく
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